おバカなたわごと
ジェントルマンたるもの
少し前のことですが印象に残っている出来事があります。
ある夜、乾電池が切れてしまったので、すぐそばのコンビニに買いに行くことにました。
時間もかなり遅かったので客は私とオジサン一人だけでした。
そのオジサンは…いや、おじ様と呼んだほうがいいかもしれません。
彼は立派な髭をたくわえていて身なりも こぎれいにまとまっていました。
いわゆる、ジェントルマンというヤツです。
紳士です。
ペーペーの私とはオーラの出かたが違います。
大人の色気を放ちつつレジに向かっていきます。
「はっはっは…、たまにはコンビニというのも新鮮だね。庶民的で…。」
なんて気分でしょうか。
彼がレジに並んだすぐあと、私も乾電池をもって後ろにつきました。
さてさて、こんな紳士的な男性が夜のコンビニで何をお買い求めでしょうか。
気になるところであります。
「あのぅ…仮面ライダーチップスありますか?」
えぇ!?
何をトチ狂ったことを言っているのでしょうか、
このジェント…いや、オヤジは。
乾電池落っことしそうになりましたよ、まったく…。
店員もちょっと困った感じです。 そりゃーそうですよ。
「ちょうど昨日で売切れてしまったんですが・・・(売れとるんかーい)。
あっ!ちょっとお待ちいただけますか、奥に在庫があったかもしれません!」
店員、バックヤードにかけていきました。
私とジェンt …もといオヤジはしばし気まずい雰囲気になります。
誰もいない時間帯を狙ってコンビニに入ったのに
まさかこんな若造にジロジロ見られるはめになるとは予定外だったに違いありません。
「おまたせしましたー!」
店員戻ってきました。
バカでかいダンボールを両手で持ちながら。
「こちらでよろしかったでしょうか?」
店員、なぜか誇らしげです。
ダンボールには仮面ライダーの精悍な姿がプリントされています。
でも、さすがにダンボール一箱は買わないでしょう…。
ね、もしかしたら家で待っている子供に買っていってあげるやさしいパパなのかもしれません。
一袋でいいんですよ、それで充分です。
なんていってもこんな立派な口髭をたくわえていらっしゃる素敵なお父様なのですから。
…ですよね?
「え〜と…、これで全部ですか?在庫。」
…うわぁ ( ´∀`)
このオヤジ、最終的に 2箱 買っていきました。
「お会計、6千〜百円になりますー。」
サイフからお金を取り出す彼からは 確かな満足感が伝わってきます。
たくましい2本の腕はしっかりと仮面ライダーチップスのダンボール箱をささえています。
がっしりとした男らしい背中には ひとつの仕事をやり遂げた達成感が。
わかったわかった。
とりあえず その髭そりおとせ。
でもなぜか、
そのあと ただ乾電池を2本買って帰った私は なぜか彼に負けたような気がしました。
大人のたくましさを見せつけられました。
これが本当の紳士の姿なのでしょうか。
ま、日本の景気は上向きのようです。
(過去日記より抜粋)